夕方のオフィスで、LINE公式アカウントの配信画面を開いたスマートフォンを手に、送信ボタンを押す前に少しためらっている企業SNS担当者の情景

LINE公式アカウントの配信頻度|ブロックを増やさない送り方と見直し方

配信ボタンを押した翌日、LINE公式アカウントの管理画面を開くと、ブロックの数がまた少し増えている。

「送りすぎたのかな」「でも送らないと、売上につながらないし……」。そう迷ううちに、次の配信の予約ボタンを押す指が、少しだけ重くなる。

その気持ち、よく分かります。LINE公式は相手のトーク画面に直接届くぶん、反応もブロックもはっきり数字に出ます。ひとりで運用していると、その数字を全部自分への評価のように感じてしまいますよね。

先にお伝えしておくと、ブロックがゼロになる配信はありません。お店を知ってくれた人の中には、クーポンを一度使えば十分という人もいます。大事なのは、ブロックを「ゼロにする」ことではなく、いつもより増えた配信に気づいて、次に活かせる状態を作ることです。

今日は、配信頻度の決め方と、ブロックを増やしにくい送り方を、一緒に順番に整理していきます。

結論:LINE公式の配信は、「何回送るか」より先に、次の3つを決めると落ち着きます。
① まずは週1回前後を出発点に、自社のブロックの増え方を見ながら調整する(正解の回数は業種や相手との関係で変わります)
② 配信の前に、その内容を「全員に送る」「絞って送る」「置いておく」のどれにするか仕分ける
③ 配信ごとにブロック率(配信後に増えたブロック数 ÷ 配信した人数)をメモし、直近の平均と比べる
回数を減らすより、1通ごとの「この人に届いてうれしいか」を上げるほうが、ブロックは増えにくくなります。

ブロックが増えるとき、何が起きているのか

ブロックは、相手からの「今はいらない」という合図です。責められているわけではありません。多くの場合、次のどれかが重なっています。

つまり、ブロックの多くは「送りすぎ」だけでなく、「誰に何を送っているか」とのずれから生まれます。回数だけを減らしても、ずれが残っていれば、ブロックはあまり変わらないこともあります。

LINE公式と他のSNSとの性格の違い(「出会う場所」と「つながり続ける場所」)は、LINE公式アカウントと他SNSの役割分担で整理しています。LINE公式は、すでに接点のある人に届く「常連さんへの手紙」。その前提に立つと、送り方の答えが見えやすくなります。

配信頻度の決め方(まずは週1回前後から)

「LINE公式は月に何回まで」という公式の決まりはありません。実務でよく出発点として挙がるのは週1回前後(月に2〜4回)ですが、これも絶対の正解ではありません。

もうひとつ、現実的な事情として、LINE公式は配信できるメッセージの数が料金プランごとに決まっています。無料で送れる通数や料金は改定されることもあるので、最新の内容はLINEヤフーの公式サイトで確認してください。友だちの数が増えるほど1回の配信で使う通数も増えるので、「全員に毎回送る」を続けると、予算の面でも苦しくなりやすいです。

だからこそ、回数は「最初に決めて、あとは自社の数字で調整する」もの。次の章の仕分けと、最後の章の数字の見方をセットにすると、自分のアカウントに合った頻度が見えてきます。

配信する前に「全員に送る?」を仕分ける

ここがいちばん効く一手です。配信したい内容が出てきたら、送る前に、次の3つのどれにするかを決めます。

横に3つの場面が並ぶ図。左はたくさんの人のスマートフォンに封筒が届く場面、中央は数人だけのスマートフォンに封筒が届く場面、右は担当者がお店の掲示板にメモを貼っておく場面で、それぞれの下に「全員に送る」「絞って送る」「置いておく」のラベルがある
配信したい内容は、送る前に「全員に送る」「絞って送る」「置いておく」の3つに仕分けます。全員に送るのは、本当に全員に関係があるものだけ。

① 全員に送る

友だち全員に関係がある内容だけを、全員に送ります。

「全員に送る」は、いちばんブロックが動きやすい配信です。だから、ここに入れる内容はしぼります。お知らせ文の言い回しに迷ったら、お知らせ投稿の書き方も参考になります。

② 絞って送る

一部の人にだけ関係がある内容は、届ける相手を絞ります。LINE公式には、性別や年代、地域などの属性や、友だちになってからの期間などで配信先を絞る機能があります(使える条件や項目は仕様変更で変わるので、公式ヘルプで確認してください)。

絞るだけで、「自分には関係ない」と感じる人に届く回数が減ります。使う通数も減るので、予算にもやさしい送り方です。

③ 置いておく

急ぎではなく、見たい人が見に来ればいい情報は、配信せずに「置いておく」を選びます。

置き場所は、トーク画面の下に出るリッチメニュー(トーク画面下部に固定で表示できるボタン付きのメニュー)や、アカウントのプロフィール、自社サイトなどです。毎回送らなくても、必要な人が自分で取りに来られる状態にしておくと、配信は「本当に届けたいもの」だけに絞れます。

この3つに仕分けるだけで、「全員に送る」の回数は自然と落ち着いてきます。頻度を無理に減らすというより、全員に届く配信の中身が濃くなるイメージです。

1通ごとに気をつけたい、3つのこと

仕分けたあと、実際に配信を作るときの小さな工夫です。

配信の予定を1か月単位で並べておくと、「今週は全員向けが2回続いている」といった偏りに気づきやすくなります。並べ方はSNSコンテンツカレンダーの作り方でまとめています。

ブロック率を「配信ごと」に記録して見直す

最後に、数字の見方です。ここも、難しい分析はいりません。

LINE公式の分析画面では、友だち数の推移とあわせて、ブロックの増え方を日ごとに確認できます(表示される場所や名前は変わることがあるので、迷ったら公式ヘルプで確認してください)。これを、配信ごとに1行ずつメモしていきます。

列何を書くか
配信日配信した日と時間
内容「週末セール」「休業のお知らせ」など、ひとことで
仕分け全員に送る/絞って送る
配信した人数その配信を届けた人数
ブロック増加配信日から翌日までに増えたブロックの数
ブロック率ブロック増加 ÷ 配信した人数

ブロックを「配信日から翌日まで」のように毎回同じ区切りで数えるのがポイントです。区切りがそろっていれば、配信どうしを比べられます。

計算の例を置いておきます。

こういう配信が出たときも、慌てなくて大丈夫です。「全員に送る」にしていたセール案内を、次は「絞って送る」にできないか、冒頭の1行で誰向けかを伝えられていたか、を見直すきっかけにします。

逆に、いつもどおりの数字の配信は、それで十分です。1回ごとに一喜一憂せず、直近の平均から大きくずれた配信だけを見直す、くらいの距離感がちょうどいいと思います。頻度を変えたときの効果を確かめる考え方は、投稿頻度を自社データで確かめる手順も参考にしてください。

なお、ブロックの数だけで配信の良し悪しは決まりません。ブロックが少し増えても、来店や予約、クーポンの利用につながった配信もあります。目的にあわせてどの数字を主役にするかは、目的別のKPIの選び方で整理しています。

明日やること(15分でできる範囲)

  1. 分析画面で、直近4回の配信それぞれの翌日までのブロック増加を調べ、上の表に写す
  2. 次に配信する予定の内容を、「全員に送る」「絞って送る」「置いておく」のどれか仕分けてみる
  3. 「置いておく」にした情報を、リッチメニューかプロフィールに置けないか確認する
  4. 次の配信の冒頭1行を、「〇〇の方へ」のように誰向けかが分かる書き出しにしてみる

全部できなくても大丈夫です。まずは1の「写す」だけでも、自分のアカウントの「いつものブロック率」が見えて、次の配信が少し怖くなくなります。

チェックリスト

配信の前と、月に一度の見直しで使えるリストです。全部に丸がつかなくても大丈夫。できるところから整えていきましょう。

最後に

明るい朝のカフェのカウンターで、お客さんがスマートフォンに届いたお店からのメッセージを見てうれしそうに微笑み、その様子を店の奥から企業SNS担当者がほっとした笑顔で見ている情景
届いてうれしい1通は、ちゃんと相手に届いています。今日はひとつ、仕分けるところから。

配信ボタンの前で迷うのは、受け取る人のことをちゃんと考えているからです。何も気にせず送り続けるより、ずっと誠実な運用です。

ブロックの数字は、あなたへの評価ではなく、「この人には、この内容は今じゃなかった」という小さなヒントです。ヒントがたまれば、誰に何を送ればいいかが、少しずつはっきりしてきます。

一度に全部変えなくて大丈夫です。次の配信をひとつだけ、「全員に送る?」と仕分けてみる。そこから、届いてうれしい1通が増えていきます。一緒に、少しずつ整えていきましょう。

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企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。