スマホを縦に構えてリール動画の冒頭を何度も見返しながら、構成を考え直している企業SNS担当者の情景

Instagramリールが伸びる構成|最初の1秒とテロップの作り方

「がんばって動画を撮って、編集して、リールを投稿した。でも再生数が伸びない」。 インサイトを開いて、視聴の数字が思ったより早く落ちているのを見た夕方。あの感じ、しんどいですよね。

しかも動画は、写真の投稿と比べて手間がかかります。撮って、切って、テロップを入れて、音を選んで。それだけ時間をかけたのに反応が薄いと、「うちには向いていないのかも」と思ってしまいます。

でも、少しだけ聞いてください。リールが伸びないとき、原因が「編集がうまくないこと」であるケースは、実はそれほど多くありません。多いのは、最初の1秒で「これ、自分に関係ある」と伝わっていないことです。ここは、道具やセンスではなく、構成で直せる部分です。

今日は、リールの構成を「最初の1秒」「本編の並べ方」「テロップの読みやすさ」の3つに分けて、一緒に整理していきます。全部を直さなくて大丈夫です。まずは冒頭だけでも十分に変わります。

結論:リールの構成は、次の3つを押さえるところから始めます。
最初の1秒で「誰向けの、何の動画か」を見せる(説明より先に、結論や結果を出す)
本編は1本1テーマに絞る(言いたいことを詰め込まない)
テロップは音なしで読めるように(短く・大きく・画面の安全な位置に)
順番としては①が最優先です。冒頭が伝わらないと、そのあとの丁寧な内容は見てもらえないからです。

リールで何が起きているのか

リールは、フォロワーだけでなくまだあなたを知らない人にも届きやすい面です。これは大きな魅力ですが、同時に前提もひとつあります。

見ている人は、あなたの会社を知らない状態で、たまたま流れてきた動画に出会っています。しかも指はスクロールの途中です。つまり、「見よう」と決めて再生ボタンを押した人ではないということです。

ここが、フィード投稿やホームページとの大きな違いです。フィードは「このアカウントを見に来た人」が読みますが、リールは「たまたま通りかかった人」に一瞬で振り向いてもらう必要があります。

だから、こんな冒頭は少しもったいないのです。

どれも丁寧で、悪気のない作りです。実際、社内で見ると「ちゃんとしている」と評価されやすい形でもあります。ただ、通りすがりの人にとっては「自分に関係あるかどうか」がまだ分からない時間が続いてしまいます。

なお、Instagramの仕様や表示の仕組み、リールの推奨サイズなどは頻繁に変わります。細かな数値や機能は、そのつどInstagram(Meta)の公式ヘルプで最新の情報をご確認ください。この記事では、仕様が変わっても使える「構成の考え方」を中心にお伝えします。

ステップ1:最初の1秒を作り直す

いちばん効くのがここです。冒頭で伝えたいのは、たったひとつ。

「これは、あなたに関係のある動画ですよ」

そのために使える型が3つあります。どれか1つを選べば十分です。

型A:結果・完成形を先に見せる

出来上がりや変化のあとを、いきなり画面に出す型です。

「どうやってこうなったの?」という気持ちが生まれるので、そのまま手順の説明に入れます。ビフォーアフターを扱うなら、アフターを先に出すと考えると分かりやすいです。

型B:相手の状況を言葉で言い当てる

見ている人の困りごとを、そのまま冒頭に置く型です。

自分のことだと感じた人は、指を止めてくれます。呼びかける相手を狭くするほど、その人には強く刺さります。「みんなに向けて」と広げると、かえって誰にも引っかからなくなりがちです。

型C:意外な一場面から始める

普段は見られない場面や、思っていたのと違う光景から始める型です。

説明はあとでいいので、まず「なんだろう」と思ってもらう作りです。舞台裏を持っている業種なら、この型は強い武器になります。

冒頭でやめたいこと

社内の慣習であいさつやロゴを入れている場合もあると思います。その場合は、いきなり全部なくすのではなく、「今回だけ、冒頭とロゴの順番を入れ替えて試させてください」と提案してみるのがおすすめです。数字という材料があると、次の相談がしやすくなります。

ステップ2:本編は「1本1テーマ」に並べる

冒頭で足を止めてもらえたら、次は最後まで見てもらう番です。ここでよくあるのが、せっかくだからと詰め込んでしまうことです。

気持ちはとても分かります。動画を1本作るのは手間なので、伝えたいことを全部載せたくなります。でも、見る側は情報が増えるほど「自分に必要な部分」が分からなくなり、途中で離れやすくなります。

リール動画を「冒頭・本編・締め」の3ブロックに分けて構成する考え方を示した概念図
リールは3ブロックで考える。冒頭で振り向いてもらい、本編は1テーマ、締めで次の行動をひとつだけ伝える。

そこで、リールは次の3ブロックで考えると整理しやすくなります。

本編で意識したいのは、この3点です。

  1. テーマは1本につき1つ:「掃除のコツ5選」より「シンクの水アカを落とす手順」のほうが、短い動画では伝わります
  2. 順番どおりに並べる:手順ものは、途中で前後に飛ばない。見ている人が頭の中で並べ替えなくて済みます
  3. 1カットを短く:同じ画がずっと続くと、動きが止まって見えます。角度や距離を変えるだけでも印象が変わります

締めについても、ひとつだけ。「フォローして、保存して、コメントもください」と欲張ると、結局どれもされません。その動画で一番してほしいことを1つだけ選びます。手順ものなら「保存」、続きが気になる内容なら「フォロー」、意見を聞きたいなら「コメント」。1本につき1つで十分です。

ステップ3:テロップは「音なしで読める」を基準にする

リールは、音を出さずに見ている人がかなりいます。電車の中、職場の休憩時間、家族が寝ている横。そういう場面で見られている前提で作ると、テロップの役割がはっきりします。

テロップは飾りではなく、音なしでも内容が分かるための本体です。

読みやすいテロップの目安

音の扱いで気をつけたいこと

リールは音楽を付けられますが、企業アカウントでは注意したい点があります。アプリ内で使える楽曲でも、アカウントの種類や利用の仕方によっては使える範囲が異なることがあります。商用利用の可否は、Instagram(Meta)の公式ヘルプや音源の利用条件で確認しておくと安心です。

迷ったときは、Instagram内で提供されている音源のうち利用条件を確認できたもの、または自社で撮った現場の音(作業音・環境音)を使う手もあります。現場の音は、案外それだけで「本物らしさ」が出ます。

伸びなかったときに見るところ

投稿したあとは、インサイトを開いて、「どこで離れているか」を見てみましょう。細かい分析は要りません。見るのは1点です。

数字が落ちている場所が分かれば、直す場所も1か所で済みます。全部を作り直さなくていいのです。

そして、これは大事なことなのですが、1本の結果で判断しなくて大丈夫です。リールは、同じ内容でも冒頭の見せ方ひとつで数字が変わります。同じテーマで冒頭だけ変えた2本を出してみると、自分のアカウントの手応えがつかめてきます。

明日やること(順番に3つだけ)

  1. 過去のリールを1本開いて、最初の1秒を確認する:あいさつやロゴから始まっていないか。関係のある人に向けた言葉になっているか
  2. 次の1本の冒頭を、型A・B・Cのどれかに書き換える:新しく撮り直さなくても、順番の入れ替えだけでできる場合があります
  3. テロップをスマホの実機で見返す:小さくないか、端に寄っていないか、速すぎないか

3つとも、追加の予算も機材も要りません。今ある素材のまま試せます。

チェックリスト

投稿する前に、ひととおり目を通してみてください。全部に丸が付かなくても大丈夫です。

よければ、こちらも

完成したリール動画を見返して、手応えを感じて少し表情がゆるんでいる企業SNS担当者の情景
冒頭の1秒を直すところから。1本ずつで十分です。

リールは、手間がかかるぶん、うまくいかないと気持ちが重くなります。編集ソフトを開くのが億劫になる日もあると思います。

でも、伸びるリールとそうでないリールの差は、才能や機材ではなく、最初の1秒に何を置いたかという、とても具体的な違いであることが多いです。そしてそこは、今ある素材のままでも直せます。

インサイトを開いて「どこで離れたんだろう」と考えた時点で、あなたはもう次の1本のヒントを手にしています。今日は冒頭の1秒だけ。それで十分です。